200000hit記念連載小説

ずっと、ずっと...〜番外編〜       <和兄と彼女2>

〜愛にはまだ遠い...〜

ずっと考えてた。
和せんせはあたしのこと『可哀想』って思ってるんじゃないかなって...
親に見捨てられたような生活してて、何もかもにやる気をなくして生きてて死んでた3年前のあたし。今よりも、もっと身体も貧弱であばらが出てあたしは都会の難民のようだった。食べる気にならないと食べない。なかったらそのままで済ませてしまう。寄り所もなくただ学校にいって1日を過ごして帰ってきてテレビを見て寝るだけだった。
今では身体もちゃんと成長して、自分で自分のことはちゃんと責任もって出来るようになった。ずっと構ってもらえるわけじゃないけど、親達のことも少しは理解できようになって、話もちゃんとするようになった。友達にも恵まれてると思う。以前ひどい態度取ったのに怒りもせずに心配してくれてた親友達。今でもすぐ側にいてくれる。
せんせは、もう自分がいなくても大丈夫なんて思ったんじゃないかな?せんせの相手はもっと大人の女の人のほうがいいんじゃないかな?せんせは優しいから、今まで見捨てられなかっただけで、はやくこんな厄介な生徒放りだしてもっと大人の女の人を彼女にしたいんじゃないかな?あたしの存在がばれたらせんせの教師になる夢壊れちゃうもんね...教育実習終わるまでって言ってるけど高校の教師になるんだったらあたしが卒業するまで内緒にしなきゃいけないんだよね?
あたしがいないほうが和せんせのため?
16の誕生日の約束、重荷なんじゃないかな...

「瑞希ちゃん、あたし和せんせあきらめた方がいいんじゃないかな?」
その日の夜、せんせが電話するって言った日、待ってるのが辛くってあたしは瑞希ちゃんに電話していた。
『あきらめてどうするわけ?3年もずっと思い続けてたんでしょう?和先生の代わりの人なんかすぐには見つからないよ、真名海。』
「そりゃそうだけど...せんせが高校の先生になったらまたあと2年...」
『そうだね、だれだって堂々と外で会いたいよね。』
「せんせも恥ずかしいんじゃないかな?あたしみたいなのが彼女だって顔してたら...悔しいけど南野先生のほうがお似合いに見えるもん。」
『真名海、和先生の気持ち疑っちゃいけないと思うよ。先生は真名海のことすごく大事にしてるってば!』
「でもそれは妹や家族に対するものと同じじゃないのかなぁ?」
「馬鹿、妹や家族に欲情するほど無節操じゃないぞ、俺は。」
「へ?」
部屋のドアを開けて和せんせが立ってた。
「どうして?あれ?」
「いくら電話しても話中じゃ直接来るしかないだろう?」
うちの電話は普段留守電にしたまんまなんだ。女だけだからやたら出るより掛けなおすほうが早いから。だからいつもは携帯に...って話中だった!
『あーもう、だから考えすぎなの、真名海は!先生きたんでしょ?ちゃんと話しなさいよ!』
がちゃりと電話は切れた。
「えっと、せんせ...?」
「電話するって言っただろ。」
ため息をつきながらあたしのほうに歩み寄ってくる。この部屋に入ったのって、せんせひさしぶりなんじゃないかな?
「真名海、どうして俺を避けるんだ?そりゃ、学校ではあんまり特別扱いは出来ないけど、普通に話すくらいいいと思うぞ。」
「だって...」
「俺だって真名海の顔が見たいんだぞ。逢えなかったら声が聞きたいんだ。ったく、俺だって辛いんだからな...」
「和せんせ...あたし、あたしなんかより南野先生のほうがせんせにはお似合いなんじゃないかなって...」
「どこが?あいつの告白は高校の時に断ってる。まあ気心も知れてるし、色んな話するけど、それくらいで噂にされたらしんどいよ。真名海は気にしてたのか?」
あたしはこくりと頷く。ベッドの上に座ってる私の前に跪いてあたしの顔を覗き込む。これでちょうど顔の高さが一緒になるんだ。
「俺も気になるんだ...真名海に声かける男子生徒とか、そいつらの目見てたらお前狙いだってすぐわかるじゃないか。今までけっこうコクられたんじゃないのか?」
「それは...うん、何度か...」
正直に言ってしまうけど、高校に入ってからいろんな人に告白された。上級生や同級生、どこであたしのことを知ったんだってくらい...
「もう気が気じゃない。いっそのこと真名海を抱きしめて俺のもんだって言って回りたいくらいだ。」
「えっ?そんなことしたら...」
「だからしないけど、今はいいか?」
せんせの大きな手があたしを捕まえる。両手で包み込まれると不安なんかどっかに飛んでいっちゃうよぉ。あたしもせんせの首に腕を回してしがみつく。
「せんせ、やっぱり1週間が限界みたい...それ以上逢えなかったら不安になっちゃうよ。」
「夜遅くてもいいならこうやって逢いに来るよ。」
「ん...え?せんせ、あたしちゃんと鍵閉めてたよね??」
「あっ、と...もしもの時のために鍵預かってるんだ。お母さんから...信用されてるみたいで裏切れないんだけどね。」
「ママが?」
ママは散々けじめって言ってたのに...
「なんだかんだ言っても心配なんだよ、真名海のことがね。」
「じゃあいつでも来れるね。もしあたしが寝ちゃってても黙って帰っちゃ嫌だよ、絶対起こしてよね?」
「う〜ん、寝顔だけ見て帰るかも...だめか?」
「だめっ!あたしは逢ったことにならないもん。」
「ちゃんと起こすよ。けど真名海は寝起きが悪いからなぁ。」
「キ、キスしてくれたら目が覚めるから...」
あたしはせんせの肩に埋めていた顔を起こして間近で顔を覗き込む。
「おい、まさかこんな条件のいいところでキスしろなんていわないよな?」
「言わないよ、あたしがしちゃうの!」
慌てふためくせんせを無視して唇を重ねる。何か言おうとして唇が開いたので自分の舌を先生の中に滑り込ませる。
「んっ、あふっ、ん...」
もごもごと抵抗してた和せんせもすぐに諦めたみたいで、反対にあたしの舌を絡めとり、今度はあたしの口中を攻め始めた。
「うんっ、んんっ...はふっ」
あたしの身体の力が抜けたとこでさっと引き離される。
「やばっ...思わずその気になっちまうところだっただろ!」
「なってもいいのに...」
ちょっぴり肩で息してる和せんせ。
「まだ俺は教育実習中だちゅうの!ったく」
口ではそういいながら再び抱きしめられた。
「頼むから他の男にはそんなことするなよ、そんな顔も見せるなよ。」
「するわけないじゃん。」
あたしはくすくすと笑う。
「おまえなぁ...悪戯でそういうことするけど、男は後が辛いんだからな。収まりがつかなくって困るんだぞ?いくら自分が教師になるからって言い聞かせたって好きな女の前じゃなんの役にも立たないんだからな...」
「もしかして、すっごく我慢してる?」
「してる...」
「我慢できなかったらどうするの?」
「えっ?」
「自分でするの?その...雑誌にも書いてあったけど...」
「真名海、真顔で聞くなよ。そうだよ、自分でするんだ。そりゃあ真名海を抱いてるとこ想像したりするよ...嫌か?」
「ううん、他の女の人のこと考えてなら嫌だけど...それならいい。」
「もう他の女じゃだめみたいなんだ...全部真名海の顔に変わってしまう。」
せんせの鼓動が激しく打ち続けてるのがよくわかる。あたしもなんだか身体が熱くなってくる。
「せんせ...うれしい。あたし待ってる。せんせのモノにしてもらうの...」
「真名海...その、耳元で囁くのだめだ...ほんっとやばい、危ない、ダメかも...俺の理性...」
「せんせ?」
どさっとベッドに押し倒されて、せんせがのしかかってくる。重いんだけど、苦しいんだけど、すっごく嬉しい!せんせは理性が飛んじゃうほどあたしのことを...そう思うだけで身体の熱が増していく。
「あっ、ん...ひゃっ、やぁん...」
せんせの唇があたしの首筋を這っていく。なんでこんなとこにキスされるだけで身体の力が抜けていくんだろう...そこから軽い痺れが広がっていくようだ...
「あん、せんせ、和せんせ...」
せんせの手があたしの胸を包み込むようにして優しく触れてる。大きすぎて、あたしの胸なんか小さく感じてしまう手、それはすぐに着ていたカットソーの裾から入り込み、お風呂に入ったあとでブラをつけてないあたしの素肌を弄った。少しごつごつしてて、汗をかいてるのか湿った手のひらが吸い付くように胸を揉みし抱くとその指が胸の先の小さな蕾に微かに触れた。
「ひゃぅ...や、あぁ...あぁん」
蕾が固くなるのを確認するようにその指先で刺激され続ける。その感覚はなぜか下腹部へつながってるようだった。そんな慣れない感覚に息を荒げながらきゅっと目を閉じてせんせの与えてくれる愛撫に身を任せていた。
「真名海、可愛いな...感じてるの?」
「わ、わかんないけど...はぁん、お、おかしくなりそう...」
「胸触っただけで?」
せんせは着ていたカットソーをたくし上げてあたしの胸をじっと見た。
「やだぁ、そんなに見ないで...あんまりおっきくないんだから...」
「それでも成長したさ。こんなにたっちゃって、真名海、ほんとに、もらっちまうぞ...」
「はひぃん、ひゃ、んっ、んっ」
先生があたしの胸の先を口に含んだとたん、あったかい感触とぬらされたために倍増していく感覚にあたしは身体を跳ねさせた。のけぞる背中、あまりの感覚に逃げようともがくあたしの太ももに熱い塊が押し付けられた。逃がすまいとするせんせの熱いかたいモノ...
せんせは、本気であたしのこと欲しがってくれてる...
それが嬉しかった。知識は瑞希ちゃんのお姉ちゃんから聞きかじった程度だったけど、いっぱい濡れたら痛くないんだって...濡れるってどういうことかわからなかったけど、今ならわかる。身体の奥がもじもじして少しだろうけど、濡れてるかも...
「はうっ、あん、...あぅ...」
せんせの舌があたしの胸の先に絡みつくように刺激して反対の胸を手ですくったり揺らしたりされてる。そんなに大きくないのに...その反対の手がだんだんと下に降りていく。お腹の辺りをさまよってパジャマ代わりのショートパンツを避けて太ももの内側を撫ぜられたり...その手がお腹のとこから差し入れられて引き下げられた。腰の辺りを撫ぜ回して最後に脚の付け根に向かっていく。
「あ、あああっ!やぁん、ん...ふぐっ、ううんっ!」
薄い布越しに敏感な部分を擦られあたしはまた跳ねた。せんせの顔が近づいてきて安心させるようにキスで唇を塞いだ。おもわず大きな声が出そうになったから...キスの間もせんせの指は止まらなかった。そっと下着の隙間からせんせのちょっと太目の指が入ってくる。
「うぐっ...」
声はせんせに飲み込まれた。そっと唇を離すと微笑みながらあたしを優しく見下ろした。
「かわいい、真名海...なのにこんなに濡らして...ホントにいいんだな?真名海の全部、俺のもんにするよ。」
くちゅくちゅと音を立てるようにゆっくりと指を差し入れてくる。
「やぁ、せ、せんせ...へん、おかしいの...せんせの、指が入ってる、あ、あ...」
「濡れててもきついな、真名海のここは...」
「ひゃあ、だめ、動かさないで...」
あたしはせんせの指の感触がやけにリアルで少し怖くって、下腹部に力が入ってしまってた。
「そんなに締め付けるなよ。これが指じゃなかったらとてもじゃないけど持たないだろ?ちから抜いて、深呼吸して。」
「し、深呼吸ね...」
あたしは大きく息を吸い込んでは吐いた。
「真名海、いるの??」
「「え??」」
ママ?今日は...泊まりの連絡はなかったんだ...
和せんせも急ぎ立ち上がりあたしの服を直してくれた。あたしが息を整えてるのを見てからせんせはドアに向かって行った。
「すいません、夜遅くにお邪魔してます。電話しても繋がらなかったんで直接来ました。」
ドアを開けてママに挨拶していた。いつもと同じ声で...すごい男の人ってなんともないのかな?
「いいんですのよ、また真名海が心配かけたのね。今日は仕事も早く終わったので帰ってきたんだけれど、早くって言ったってこんな時間ですけれど。」
ママが疲れた顔で笑ってるのがせんせの肩越しに見えた。時計はもう11時半を回っている。
「それじゃ、もうそろそろお暇します。明日も実習があるので。」
「そう?お茶でもと思ったんですけど、よろしいの?」
「いえ、ほんとにもう...真名海の機嫌も直ったみたいだし、大分眠そうなんで、そろそろ。」
「いつも小畠先生にはお世話になりっぱなしでごめんなさいね。あ、もう家庭教師じゃないから小畠くんって呼んだ方がいいかしら?」
「はい、そっちのほうがいいです。」
ママはゆっくりしていっていいのよと言いながら階段を下りていった。
「真名海、大丈夫か?」
部屋に戻ってきたせんせにあたしは涙声で訴える。
「だ、大丈夫じゃないよぉ...」
ほんとに大丈夫じゃない。体中が敏感になったようにざわざわしてるし、さっきまでせんせの指が埋まってたそこはもう濡れちゃって、下着が気持ち悪いほど冷たくって。身体の力も元に戻らない。こんなのひどいよ...
「真名海って、ほんとに感じやすかったんだな...今決めたよ、もう迷わない。来週末、真名海をもらうから。どんなに嫌がっても、もうだめだからな。」
「う、うん...」
あたしは頭を縦に振ると和せんせを見上げた。
「せんせ、は、辛くない?」
「...めちゃくちゃ辛いよ...俺の身体はまだ真名海を欲しがってる。大事にしたいのに、まだ早いと思ってたけど、もうだめだからな。」
ぎゅうって抱きしめられる。せんせの鼓動はまだ早かった。
「その目すら俺を煽るんだ、明日で実習は最後だけど、真名海のほう見れなくても許せよな?今夜のこと思い出してとんでもないことになりそうだから...」
「あたしも...恥ずかしくてせんせの顔見れないかも...」
そっとせんせの胸から身体を引き離される。せんせの優しい目があたしだけを見てた。
「来週の真名海の誕生日は金曜日だったな?どうする、どこかに行くか?」
「えっ、でも...」
見られたらダメだよね?
「うちでもいい?ママ金曜は忙しくて必ず泊まりだから...そのまま帰ってこないから...いっぱい料理こしらえて待ってる。」
「自分の誕生日にか?じゃあケーキ買ってくるから、待ってろよ。」
「うん!」
ちゅって軽くキスしておやすみを言うと、せんせは部屋を出て行った。あたしは窓からせんせが帰るところを手を振って見送っていた。
あ、結局南野先生と抱き合ってた噂のこと聞くの忘れてた...
でも、もうどうでもいいや。和せんせは、あたしの側にいるもん。
せんせが触れてくれた胸や身体の全部がいとしく思えてしまう。言葉だけじゃ伝わらないものをこうやって身体で伝え合うんだ。
あたしはその夜、自分の身体を抱きしめて眠った。
手のひらにはメールを開いたままの携帯を握り締めて...
《真名海、大好きだよ。和》
メールの苦手な、ましてやこんなメールもらったことのなかった和せんせからのメッセージだった。